合同会社(LLC)を設立するには,本店所在地(本社の住所)を決める必要があります。
本店というと店舗のイメージがあると思いますが、法律では本社のことを本店と呼びます。この本店所在地は日本国内ならばどこでもよく、1社に1カ所のみと決められています。
本店所在地によって管轄の法務局が決まる
本店所在地によって、会社設立登記申請を行う法務局が決まります。(代表者の住所地の法務局に申請するわけではありません。本店所在地を管轄する法務局に申請します)
管轄法務局は、こちらから調べることができますので、事前に調べておきましょう。
本店所在地の決め方
合同会社(LLC)の本店所在地に制限はありません。しっかりと住所がわかれば、自宅、マンション、賃貸事務所など、どこでも登記が可能です。
ただし、本店所在地の変更には3万円~6万円の費用がかかりますので、なるべく移動しない場所(例えば持家や実家)にするのがいいでしょう。
※賃貸物件を本店所在地とする場合には、あらかじめ貸主に会社の事務所として登記してよいかの了解をとっておくことをお勧めします。賃貸借契約上、事務所としての使用が認められない例などもありますので、この点は注意してください。
※特に、公営住宅など公的な賃貸物件の場合、物件の使用条件に色々と制限がありますので事前に十分調べるようにして下さい。
本店所在地を定款に記載する注意点
本店所在地が決まったら、「定款に記載する本店所在地」を決めます。
定款には、
- 「当会社は、兵庫県西宮市に置く」と最小行政区画まで記載する方法
- 「当会社は、兵庫県西宮市上之町35番36号に置く」と番地まで記載する方法
の2種類があります。
番地まで記載した場合は、本店を移転すると必ず定款の変更手続が必要になりますので、最小行政区画で止めておく方法をお勧めいたします。
そうすることによって区画内での移転では定款の変更手続が不要というメリットがあります。
なお、登記申請までには番地まできちんと決めなければいけません。定款で「番地」まで定めていない場合は、登記申請前に「本店所在地決議書」を作成し、本店所在地を確定させる必要があります。